プロフィール

suurizemi

Author:suurizemi
はじめまして。私の名前は松崎遥です。
2010年現在、東京大学大学院総合文化研究科の2年生です。
最近いろいろ総合しすぎてよく解っていません。
e-mailアドレスは、blckcloistergmilどっと混むです。出会い系サイトの攻撃によりコメント機能は使えませんので、こちらにご連絡下さい。

私の好きな言葉だけ・・・
「証明の海の中にこそ数学の生命が宿り、定理や予想は大海に浮かぶただの泡である(よみ人知らず)」
「曖昧な知識は何の役にもたちません。自戒を込めて(神保道夫)」
「連続関数以外では、微分積分法はむずかしい!(高木貞治)」
「10代で共産主義にかぶれない人間は情熱が足りない。20を過ぎて共産主義にかぶれる人間は知能が足りない。(よみ人知らず)」
「だから、あの人自身がアトラクターなんだよね(金子邦彦教授評。)」
「われわれは、ほとんど知識をもっていないことほど固く信じている。(モンテーニュ)」
「現代文明の根源であり象徴である近代科学は,知的に非凡とは言えない人間を温かく迎えいれ,その人間の仕事が成功することを可能にしている.
 その原因は,新しい科学の,また,科学に支配され代表される文明の,最大の長所であり,同時に最大の危険であるもの,つまり機械化である.物理学や生物学においてやらなくてはならないことの大部分は,誰にでも,あるいはほとんどの人にできる機械的な頭脳労働である.科学の無数の研究目的のためには,これを小さな分野に分けて,その一つに閉じこもり,他の分野のことは知らないでいてよかろう.方法の確実さと正確さのお陰で,このような知恵の一時的,実際的な解体が許される.これらの方法の一つを,一つの機械のように使って仕事をすればよいのであって,実り多い結果を得るためには.その方法の意味や原理についての厳密な観念をもつ必要など少しもない.このように,大部分の科学者は,蜜蜂が巣に閉じこもるように,焼き串をまわす犬のように,自分の実験室の小部屋に閉じこもって,科学全体の発達を推進しているのである.・・・(中略)・・・大部分の科学者は,自分の生とまともにぶつかるのがこわくて,科学に専念してきたのである.かれらは明晰な頭脳ではない.だから,周知のように,具体的な状況にたいして愚かなのである.(オルテガ)」
「幾何学(=数学)について腹蔵なく申せば、私は、これを頭脳の最高の訓練とは思いますが、同時にそれが本当に無益なものだということをよく存じていますので、、、(パスカル)」
「犬っころなら三日も四日も寝ていられようが・・・寝て暮らすにゃあ、人間てのは血が熱過ぎる・・・(村田京介)」
「小泉純一郎は朝食をたくさん食べる。ヒトラーも朝食をたくさん食べた。だから小泉はヒトラーと同じだ(朝日新聞)」
「畜生、今日もまた Perl でスクリプトを書いてしまった。ああもう、 Python がデフォルトでインストールされないシステムはゴミだよ。いや、それではゴミに対して失礼だ (リサイクル可能なものが多いからな) 。よし、こうしよう。 Python がデフォルトでインストールされないシステムは核廃棄物だ。いや、核廃棄物の中にも再利用できるものはあるな。なんて事だ、俺は本当に無価値なものを発見してしまった・・・(プログラマー)」
「ヨーロッパかアメリカの気候のよいところで、
のんびりぜいたくに遊んで一生を暮らすこともできるだろうに・・・それがお前たち下等なブルジョワの最高の幸福だ。」
「もし二人がいつも同じ意見なら、一人はいなくてもよい。(チャーチル)」
「悉く書を信ずれば、即ち書無きに如かず。(孟子)」
「一般的に、時間が経てば経つほど、バグを直すのにかかるコスト(時間とお金)は増える。
例えば、コンパイル時にタイプか文法エラーが出たら、それを直すのはごく当たり前のことだ。
バグを抱えていて、プログラムを動かそうとした最初のときに見つけたとする。君はわけなく直せるだろう。なぜなら、君の頭の中でそのコードはまだ新鮮だからだ。
2、3日前に書いたコードの中にバグを見つけたとする。それを追い詰めるのには少し時間を要するだろう。しかし、書いたコードを読み直せばすべてを思い出し、手ごろな時間で直せるだろう。
でも、2,3ヶ月前に書いたコードの中のバグについては、君はそのコードについて多くを忘れているだろう。そして、直すのはこれまでよりずっと大変だ。このケースでは、君は誰か他の人のコードを直していて、書いた本人は休暇でアルバ島(訳註:ベネズエラ北西カリブの島・リゾート地)に行っているかもしれない。この場合、バグを直すことは科学"science"のようなものだ。ゆっくり、順序立てて慎重にやらなければならないし、直す方法を見つけるのにどのくらいかかるのか、確かなところがわからない。
そして、すでに出荷されたコードのバグを見つけたら、それを直すには途方も無いコストを招くだろう。(Joel on Software)」
「男と女には春夏秋冬がある。
春にしっかり育てて、
夏に燃え上がり、
秋に”情”という実がなり
冬はそれを食べて生きていく。(柳沢きみお)」

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自主セミナー やって候
もはや自主セミナーの補助ページではなくなって久しいモノ。
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マスター方程式とごく基礎的なことの欠如
マスター方程式までたどり着いた。非常にうれしいことで、先生も喜んでくださったように思う。が。

今日も学科公開(下参照)に向けてマスター方程式をやっていたのだが・・・基礎的なことで躓きが。

固有空間の次元が、固有地の縮退度と一致しない行列の指数関数が出せない。

線型代数入門(ほとんど読んで無い)をめくる。

対角化可能条件は、固有空間の次元と縮退度が一致することである。ふむふむ。固有空間はどうやって求めるんだ?・・・わからない。

ほとんど忘れてることに焦りながらも、固有空間の直和から漏れている部分が、マスター方程式の可約な場合、つまりdepletionが起きている場合だということには気づく。そしてあることにも気づく。つまり・・・

ジョルダン標準形が作れん!

ジョルダン標準形を調べて、標準形にするのに1時間はかかりました。
1・2年生の時の勉強って大事ですね。苗。


追記:変換行列を求めるのにさらに2時間かかりました。どうしようもないです。これがサボりの報いなのでしょうか・・・
 
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contemplation
五月祭は凄かったね。

1.27の先輩がナンパに来てたところを再会。一緒に酒を飲む(笑)
2.物理&計数工学科が満員。入場制限。
3.1年の時の同じクラスの友達が、なぜか航空宇宙で可積分系の研究室に。
4.その研究室の院生が面白い研究をやっていたので熱いトーク。空気中の水滴が熱平衡にあるときに表面はどのような形を取りうるかをコンピューターで計算してしまうという研究。ルンゲ・クッタ法の仕方が素敵だった。なぜかワープの話とかをした。ワープとバリヤで世界平和だ!!
友達にはこのあと一日中付き合っていただきしかも焼きそばまでおごってもらった。恩返ししなくては。ありがとう。
※ラプラスの法則・・・平均曲率と圧力差を結ぶ公式について学んだので後日復習のこと。
5.物理学科のエバっちゃんが粉体でマドハンドを作っていた。ナビエ・ストークスの数値解のアニメも見せてもらった。2年ぶりに再会したわけだが相変わらず面白い。
6.物理学科では佐々研の人気が高いらしい。
7.グランドフェスティバルでMKGのライブを最初から見ることが出来た。4年間で初めての衝撃だった。天賦の才能だ!!

五月祭の次の日はバイトだった。バイトはいいねぇ。せっぱつまっていることを忘れさせてくれる(笑)

この日、後輩に模造紙とマジックを買ってもらったので学科公開のために何か書くことになった。くりこみかブラウン運動か悩んで、結局ブラウン運動にするつもり。

五月祭の次の次の日、つまり昨日は金子研に訪問した。そこで、面白いアイディアが浮かんだのでそれをやろうと思った。ほとんど数学だが、もくろんでいることが起これば面白いだろう。これはマスター方程式の変数の拡張によってbifurcationの制御は可能かという問題。

それでは無いが、もう一つ面白そうだと思ったのは、loose couplingという仕組みが実現しうるかどうか、具体的にコンピューターでモデルを作ってみるということである。果たして、分子モーターの駆動力であるラチェットの温度差は、実現されているのだろうか?


そして今日、amazon.comからSystems Biologyの本とfunctional programmingの本が届いたのである。もう少しで、英語に慣れてくるような気がしてきた。

なんか散漫な日記でスイマセン。書いてないことも多いし。
 
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佐々研訪問の様子
今日は研究室見学の日だった。
佐々けんの過去の卒業研究テーマに不可逆性があったので訪問してみた。

私「不可逆性なんですが・・・」
「ボルツマン方程式で解決されている、とはいえないのでしょうか」

先生「別に不可逆性自体はありふれた現象であり、不思議ではないです。ボルツマン方程式は不可逆な現象を記述するだけである。例えばフーリエの熱伝導の法則も不可逆な現象を記述するし、流体力学の法則もそうです。だから、何も不思議なことは無い。」
「現象を記述できることは、別に不思議ではないですが、しかし、例えば等重率の原理を何かほかのものから導けたとしたら、それは不思議なことでしょう。」

私「例えば、先生はコルモゴロフ・シナイエントロピーで仕事をなさっていたと思いますが、あれによって不可逆性が説明されたということにはならないのですか」

先生「KSエントロピーが、まず統計力学のエントロピーとは一致しないことを認識する必要がある。不可逆性にはいろいろな議論のアプローチがあり、論点整理は僕の中ではされているが、そのような論点整理すら出来ていない人が非常に多い。
コルモゴロフ・シナイエントロピーはカオス力学系と測度を与えれば決まるわけだが、不可逆性の議論には、統計力学との関係を議論しなければならない。
数学的な証明は難しいのでまだ追いついていないが、僕はこれらが関連する証拠をいくつも持っている。KSエントロピーと統計力学のエントロピーが関連するという仕事が、僕の仕事の中で一番気に入っている。」

私「ボルツマン方程式の導出を見たとき、不可逆性の起源がわかったような気がしたのですが」

先生「まずその導出というのはどういう意味ですか。
ボルツマンの導き方は、仮定を置いたのであって、ボルツマン方程式は過程に過ぎない。
導出というのは、BBGKYによって、リュービル方程式から導くことをいう。」

私「まさにそのBBGKYです。今度は、仕掛けは極限のとり方に隠れているのですか」

先生「そうです。BBGKYは希薄気体の場合に限るが、数学的な根拠として極限の取り方とリュービル方程式を置いて、不可逆性を導くことに成功しているし、そのこと自体は不思議ではない。あれは2体問題の場合で3体問題を、3体問題の場合で4体問題を・・・としていくものでしょう。
しかし、ボルツマンは天才だったから、そんなことをしなくても実用的でコンベンショナルな仮定を置いてボルツマン方程式を導くことが出来た」

私「ボルツマンの仮定は自然ですよね」

先生「自然です。また、これらの仮定はポアンカレ・リカレンスが起こらない時間スケールで正しい。」

私「なるほど、時間スケールですか・・・ところで、衝突のような相互作用を考える時に、どの程度量子力学的な相互作用を考えることが出来るのですか」

先生「まず、トレースで定義されたエントロピーは、統計力学のエントロピーとは全く別のものであるということを認識する必要がある。」

私「時間依存ハミルトニアンでは増えるのですか」

先生「それは増えない。観測によってしか増えることは無い。ユニタリーだからそうでしょ」

私「安心しました。」

先生「僕は量子力学は好きじゃないからあれだけど、そのエントロピー同士の関係ということになる。」

私「軌道に、量子力学的な相互作用が行われたという痕跡が残ることは無いのですか」

先生「残らない。KSエントロピーを量子化するという論文も山のようにある。しかしあまりブレイクスルーがあるとはいえない。そこそこというところだが、革新は無い」

私「理論についての方向性は大体わかってきました。
卒業研究で具体例を扱うとしたら、どうなるのでしょうか。」

先生「まず僕はテーマを与えません。20個ぐらい考えてきてもらう。去年のM君のは、20個目でやっと面白いのが出てきたのでそれを採用した」

私「過去の例で化学反応のカオスがありますが、これはカオスを化学反応に応用するということなのですか」

先生「僕は応用とかには全く興味が無い。正しいとわかっている理論を繰り返すことに面白みは感じられない。」

私「・・・う。」

先生「具体的な現象を扱う時の態度は、こういうものである。
まず、雲の乱流が、島によって分断されて起こる現象があります。これはレイノルズすうが10の8乗ぐらいで、凄く粘性が高い。そこに後ろからばーっと渦が来ると、そのレイノルズ数なら渦は崩れて乱れるはずだが、どういうわけか、渦が保存する。これはレイノルズ数が100ぐらいの現象で、このオーダーの差がなぜ生じるのかは非常に難しい。
そこで、こういうことが考えられる。渦自体が新しい粒子になって、渦同士の相互作用が粘性を生じ、レイノルズ数の低い流れを生んでいるのではないだろうか。」

私「それは面白くないんですか!?」

先生「面白いよ。そもそも僕の主要なテーマです。現象を扱う時は、そこからいかに新しい定理や法則を引き出すのかということにあるのです。ちなみに、この現象は既に1924年から見つかっていて、気球を飛ばして実測もされているのです。」

私「なるほど。」

先生「まず、化学反応はカオスとしては単純だから、これを渦として使う。これをやった人はすごい悩んで学部で就職することに決めたのだが、これがもし化学反応で生じれば新しい発見である。結局新しい発見だといえるところまで5分5分でいったのだが、失敗ということになった。その後、彼は就職してしまったので、僕ががーっとやったら一応形にはなった。」

私「つまり、KSエントロピーを現実の系に適用するとか、そういうことでは無いんですね。」

先生「それをして、何が面白いんですか。」


やはり、一線の研究者は違うなあと思い知らされた会見であった。
とりあえず、先生の所へ行く確率は今のところ40パーセントぐらいだが、研究テーマを20個考えられるかやってみようと思う。
 
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再生のメロディ
今日はダヴィンチの受胎告知を見にいった。
 
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久しぶりのバイトとWiener過程
久しぶりにバイトをした。いざしてみると、いい気分転換じゃないか。お金ももらえるし。

ということで、研究?の気分転換のために、来月は週一回バイトをすることにした。

なにせ、こないだアマゾンで229ドルも使ってしまったのだ(笑)どう考えても経済状況がやばい。しかし、クレジットカードのせいでいまいち危機感が無いのである。なんてこった。


ところで、Wiener過程について。よく考えてみたら、確率ヒエラルキーから確率過程を逆に構成すると、とんでもなくグロテスクになるのではないだろうか。(やってない)

拡散方程式との関係も、ヒエラルキーのほうに分があることを示しているような気がする。

上記のようなことをなぜいまだに確認していないんだ。勉強した時間が足りない。

1ヶ月勉強をサボったが、ここまで後悔するとは。なぜかというと、上のような単純かつ頑張ればすぐに可能な疑問がたくさんあるのだ。うーん。
 
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Wiener過程とPoisson過程
マルコフ過程がこんなに難しいとは知らなかった。離散、有限だと大学受験で出るくらいカンタンなのに、連続・無限集合上の場合はヤヴァイ。

とりあえずこの本は甘く見すぎていたな。かといってやめるわけでもないが。

とりあえず、基本が積分方程式なので非常に困る。学部でもっと扱うべきだ。といっても少数派かもしれないが(笑)

金子先生が出張中に、わからない問題は飛ばしてさっさと化学反応ちゅうかランジュバン方程式へ到達するように言われた。もっともだ。

細かいところにこだわってもしょうがない。はやく生命現象に応用できるぐらい物理を磨きたいところだ。
 
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挫折
一般システム理論を読んでから、それを「解けない」問題であるn電子問題(古典的な)に応用したらどうなるかということが気にかかって、今までずっとそれに取り組んできたがもうだめだ。挫折した。

100のアイディアが生まれ、95のアイディアは崩れ去った。それでは残る5つはどうかというと、実は崩れ去ってはいない。しかし、それを実際にimplementするレベルで挫折してしまったのだ。

直感的に、これを実行しても得ることが少ないということに気づいてしまったからだ。

この10日間というもの、授業をほとんど犠牲にして取り組んできた問題が全くダメだった。精神的にきついものがある。

もう少しだということはわかっている。しかし、もう少しのそれを超えても達成できるのは青写真の5%も無い。だからもっといい方法が思いつくまで、この問題を離れよう。もしかしたら、再帰出来る日が来るかもしれないもの。

ブラウン運動に戻りました。
 
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東大新聞に出ました
私が所属する基礎科学科の説明をして欲しいということだったので、今日東大新聞のインタビューを受けてまいりました。まぁあまりたいした扱いはされないと思うのですが、5月29日の進学特集号パート2に載るらしいです(^ ^)

楽しくお話でき、最小限のことだけを話したつもりでしたが、1時間半もかかってしまいました。どのように1000字に収められるか今から楽しみです。

物理をやりたい人はみんなカオスを知るといいと思うよ、という熱い思いを込めてまいりました(笑)

それでは、最近構築中のオカルト理論に戻ります。ではまた。
 
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一般システム理論1
ファン・カンペンをつぶして「面談」があった。平たく言えば人生相談といったところか。それでうがーーっと思って、その帰り生協でベルタランフィの一般システム理論を買った。

時代が早すぎたといわれるこの本であるが、たしかに議論の抽象的な度合いに対して中身が伴っていない。とくに、生物システムの記述に微分方程式を使いながら、素粒子の多体問題は解けないなどと批判するのはどうかと思う。

しかし、万人が批判すると思われるその点に、この理論を読み解く鍵があるのでは無いかとも思われる。

つまり、生物システムの記述に微分方程式を使いながらも解けているのは、定常状態が常に成り立っているという生物の特徴があるからだ。

そのような特徴に注目するのが開放システムの発想なのであって、別に微分方程式じゃなくて差分方程式でもよいし、不可逆確率過程でも同じようなことが実現されるだろう。

ということは、一般システムから私が何を得るかということは、「万物に対する理解というものは、物理学をその基礎におくのではなく、生物をその基礎におくのではないか」という、ベルタランフィのラジカルで、同時に批判と嘲笑を浴びたであろう新たなパラダイムにこそあると言える。

一般に、このような「ある状況には適用できるが、それが厳密に正しいということを証明するのは不可能で、しかも、しばしば適用できない状況が存在することが確認される」というようなステートメントに対抗する策は、(数学では)イプシロン・デルタ論法である。だから、私は、数学者としてはベルタランフィの発想をイプシロン・デルタ的に正当化することが出来るかもしれない。

それにしても、ベルタランフィの扱っている数学モデルは子供のおもちゃのようなもので、説得力があまりに欠けている。それにもかかわらず、この本が半世紀近い熱狂に(一部の「狂信者」にかもしれないが。)支えられているのは、まだまだ読み取れていない何かがあるに違いないのである。

なぜなら、このベルタランフィの直感は冴えていると思うのである。

ベルタランフィはいんちきな方法で生物=開放システムの「等結果性」を導いている。どういうことかを簡単に説明しましょう。生物は物質を絶えず外部と交換する「定常状態」にあるので、そのような「定常状態」では化学物質の濃度は一定である(この仮定がかなりいんちきであり、バイオリズムのようなものを無視している)。しかしながら、統計力学の適用可能な閉鎖システムでは、例えばミクロカノニカルならばエネルギーなどの保存量が存在する。ここで、初期条件を大きく動かすことを考えよう。

生物の等結果性とは、このような初期条件の揺らぎによって、定常状態が影響を受けないことである。このことは、

∂tQ=(Qの時間あたり輸送量)+(Qの時間あたり生成量)

という、連続の方程式の解の性質である。といってもそれは自明でなく、輸送量が現在の物質量に比例し、kQという形になり、生成量は一定量Eであるという(いんちきな)条件が必要である。すると、輸送項から指数的減少が生まれるので、定常状態が存在することになる。よって、初期状態は定常状態に関係ない。

私がここで重要だと思うのは、ベルタランフィのように微分方程式を用いなくても、定常状態を持つような機構は作れるのではないかということだ。例えば、独立試行列はマクラミンの定理に従う。そうすると、輸送現象を確率過程として扱い、物質の蓄積を論じることが可能になる。というのもいかにも面白そうだ。(マクラミンの定理なんかは、イプシロン・デルタによる正当化の最たるものであります。)というか、そのせんで実際ある問題を扱おうとしている。相関関数が残るから、マルコフ的ではないのですが。

さて、ベルタランフィの話はおいておいて、今私が読んでいる、2007年の生物の論文でもこれと同じようなことを言っているのである。Transcription Network、つまり特殊なたんぱく質であるTranscription Factorを記述する遺伝子同士の相互作用を扱った論文なのだが、細胞の外界への応答を、初期条件の変化に対する当結果性として捉えようというのだ。

いざこうして書いてみると、思想的にあまりにもベルタランフィに似通っているので驚く。金子先生は気づいていらっしゃるのだろうか。昨日ベルタランフィについて話した時にはそんなことは全くおっしゃっていなかったが。今度聞いてみようと思います。

さて、初期条件の変化とは、なんだろうか。今は細胞の転写について話しているので、初期条件とは、当然全ての遺伝子に対応するmRNAの数か、遺伝子に対応するたんぱく質の分布である。とすると、外界の条件は、熱や化学反応によるたんぱく質の変性によって記述できるから、初期条件に対する摂動とみなすことが出来るわけである。しかし、生物は摂動というピンチをうまく切り抜けると、通常通りの生活に戻ってしまう。これが、等結果性を表しているわけである。

興奮してきたので、帰りにEssential Cell Biologyを買ってしまった。なんと、ブックオフで半額。つくづく学問しやすい時代に生まれてきたと、感謝しています。

そういえば今日大学院の説明会があったのに、それについて全く書いてなかった(笑)
 
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確率漬け
分岐過程の問題で、非線形の積分方程式が出てきて解けない。

ヴォルテラ型の積分方程式の、積分の中身を2乗にしたものなんだが。

解答も載っていない。はっきり言ってこういう本、というか一般的に自習者のための本は解答が必要だと思うんですがどうでしょうか。

先に進まなきゃいけないのに止まりっ放しだ・・・焦ってもどうにもならない。
 
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授業覚書
正直ソリトンの授業側からなすぎてつらい。計算をしなければフォローできないのに、その時間も与えられず怒涛の勢いでフランス人教師の授業が進んでいく。いや、説明はわかりやすいのですが。というか、授業としてあれ以上の質のものはほとんど無いだろう。つまり、自分に努力する気が無いだけだ。

しかし、ソリトンをやっている時間が無いのも事実ではある。

プログラムをスピードアップさせるために、Haskellをはじめたし。もともとやっている確率論はどんどん難しくなっていって、多変数の相関関数を計算するために、確率測度とデルタ関数の畳み込みをフーリエ変換してログを取ってテイラー展開する(これをキュミュラントをとる、というのですが)ばかりです。高校のときとかの確率って一体なんだったんだ。

さて、今日は毎週楽しみにしている関数解析です。ついに今週は測度(超関数として)の弱収束です。

昔からある意味疑問だったのは、L^2空間の元である関数の列でデルタ関数を近似する時、関数で無いデルタ関数がなぜ極限になりうるのかということでした。L^2というのは周知の通り関数をa.e.の同値関係で割ったものなので、関数よりもぼやけた、つまり一点での値など意味を持たない存在。しかし、デルタ関数は明確に一点での値を強調しています。(え?と思われると思うのですがどこがおかしいか考えてみてください)

答えは、これは関数空間Xでの収束なのではなく、連続作用素の作るバナッハ空間L(X,R)の上での弱収束だということです(ノルム収束しないということです)。ようやく長年の疑問が解けました。よかったよかった。

問題は、これは完備な空間でしか成り立たないのかということですが、まだ証明のどこで決定的に効いているのかわかりません。おそらく完備でないと開写像定理が成り立たないはずなのですが、面倒くさくてチェックしていない・・・そんな時もありますよね。

GWに1ミリも勉強しなかったおかげでかなり遅れをとりました。明日からまた頑張ろうと思います。
 
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複雑系
ゴールデンウィークが終わりました。

この一週間、実家に帰って、院で何を研究するかをじっくりと考えました。もう後悔はしない、という感じに煮詰めることが出来たかと思います。

この間、わざと勉強は一切しないことに決めていました。ミクロなことにとらわれて、大局を見極められなかったら意味が無いと思って。僕にとって、専攻は自分の好きなことだけで決めることではなかったようです。好きなことだけなら無限にありますから。

じゃあ何が重要なのかというと、政局と情報力、大局観だと僕は思います。つまり、誰・何につながるのか、何に繋がりうるか、ということも考えておかなければ、と思います。

お金だけではありません。人生において何が幸福といえるのか、ということを含めてです。


日中は田園風景の中をサイクリングしながら、ブラウン運動のことを考えたり、空を見て詩を作ったり、木陰で涼んだりしていました。そして気づきました。人生で一番大切なのは、健康と、家族だと。

お墓まいりに行ったり、祖父と祖母に会いに行ったりしました。貴重な体験をさせてもらいました。


天蓋(てんがい)

縁の見えない天蓋から
平和の波が押し寄せ
目を細めて自転車をこぐと
ヒバリの声がしました。
それは青い空から
降ってくるようで
空気の鳥がくるりと
わたしを追い越していきました。

それが真空のゆらぎで
宇宙のろうそくを
静かに燃やすものでした。
 
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